2015/12/01

推論についてのお話

Thinking
「この2個の箱のどちらにプレゼントが入っていると思う?」と聞かれて、あなたがどちらか一方を選んだとしましょう。
「どうしてこちらを選んだの?」 と聞かれたときにはどう答えるでしょうか?
いろいろな答えが考えられるでしょう。
「持ち上げてみたらこちらが重く感じた」、「なんとなく」、「前の人のときはこちらの色の箱にプレゼントが入っていたから」、「隣にいる人がこちらを選べと言ったから」、「両方の箱に串を何本か刺してみたらこちらだけ何かにぶつかった」など。
実際に箱を開けてみるまでは『証拠』と言えるほどのものは何もありません。ここで挙げられたのは『根拠』といったところでしょうか。

推論がどれくらいもっともらしいかを示す『蓋然性』 という言葉があります。
箱を開けて『証拠』を確認できないときは『根拠』を集め検討し『蓋然性』を変化させるしかありません。

事件や事故の報道を見聞きした瞬間は、その事柄の『蓋然性』は、本当とするにも嘘とするにも『根拠』不足のために低すぎます。
自分で調べて、考え、ときには人と意見を交換して『蓋然性』を高めていきましょう。
そのときどきで「本当」の方向に蓋然性が高まることもあれば「嘘」の方向に蓋然性が高まっていくこともあります。

ちょっと意外な話を友人から聞いたとき、「本当?」と言ってさらなる『根拠』の提示を無意識に求めるでしょう?
テレビや新聞・雑誌に「本当?」とたずねることはできません。
ですから自分で調べましょう。
現在はやはりインターネットが一番便利ですね。
「インターネットの情報が常に正しい」と言っているのではありません。
「インターネットには様々なスタンスからの異なる意見や情報が多くある」ということです。
いろんなスタンスの情報を集め、考え『蓋然性』を高めましょう。

メディアをコントロールできる人は『蓋然性』を高める作業を怠る人たち、怠ってることに気付いていない人たちを、まとめて騙すことができるのです。
騙されたままでいるより、本当かどうかわからないけれど、いくらか蓋然性の高い結論をみんなが持っているほうがいいでしょう?
知らないうちに被害者であるばかりか加害者になってしまうこともあると思います。

「あなたはどうしてそう思うのですか?」の問いに「テレビでそういっていた」と答える人を私は相手にしません。私が欲しているのはテレビの情報の又聞きではなく、その人の意見・考え方ですから。
自分と異なる意見を答える人に出会えるとシメシメと思います。
自分の蓋然性を高めながら、結論の変化も生まれるかも知れないのですから。

経験上、大げさに報道される、死傷者が出るような事件・事故の半分以上には嘘が含まれていると感じています。
アメリカ同時多発テロ、対テロ戦争、東日本大震災、イスラム国…例を上げればきりがありませんが、多くの事件は繋がっていますので、コツを掴めば『蓋然性』を高める作業は飛躍的に効率化できます。

嘘を見破るというより『蓋然性』を低いままにしておかないクセをつけましょう。
全てのことには無理ですが、大切なことに対してはね。

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